プレス成型や溶接された鋼板、アルミニウムから成る自動車用ボディに塗装を施し、エンジンやタイヤなどの部品を取り付けると、普段私たちが目にする自動車となります。このうち塗装は、車体表面を保護するとともに、車体を美しく見せる効果があります。塗装で形成される塗膜は通常、3〜5層で構成されています。
鋼板などの素材に付着している鉄粉や油を落とすことで、電着塗料との密着性を高めます。また、化学反応を利用して化成皮膜を形成し耐食性を高めます。 | ||
錆を防止する電着塗料が入っている大きな容器の中に車体を入れ、車体に電気を流し塗装します。スプレー塗装では難しい車体内部への塗装が可能です。 | ||
車体を美しく見せるとともに、石はね(チッピング)による損傷を小さくするために行う塗装です。 | ||
塗装の最後の工程の上塗り塗装では、着色のためのベースコートを塗装した後、表面のツヤを出すとともに耐候性を向上させるクリヤーコートを塗装します。 |
自動車に多数使われている金属部品には高い耐食性が求められることから、防錆能力が高い電着塗料が使われています。これらの部品のうち、日光や降雨にさらされるトラック用フレームやその関連部品には耐候性を付与したタイプの電着塗料が使われています。これら鋼板部品に関しては、基本的に電着塗料単膜で仕上げ、製品となります。
自動車にはプラスチックの部品も多く使われています。このうちバンパーは対人衝撃の緩和や軽量化を図るためにポリプロピレンが利用されています。ポリプロピレンは一般的に塗料をはじいてしまうので、特殊なプライマー塗料※が使われています。
※プライマー塗料:素材に直接塗る塗料。
自動車部品の中でも、鋳物などのように素材が厚く、電着塗装が難しい部品の塗装に使われています。